梅干をひもとく

梅干をひもとく

歴史

日本人と梅干

今から遡ること1500年前の大和朝廷時代。「鳥梅(うばい)」漢方薬として中国からやってきた梅は、寒さをしのいで咲くその姿で日本人を魅了しました。その想いは『万葉集』にも残されており、桜の花をたたえた歌が約40首であるのに対し、梅の花をたたえた歌は122首もおさめられています。

鎌倉中期に書かれた『世俗立要集』には、武士の正式膳に梅干が登場していました。膳に置かれているムメほし(梅干)、肴の配置と種類が記されており、梅干が毒消しとして利用されていたことがうかがえます。(参考:有岡利幸著/梅干)この頃から、僧家の肴=お坊さんのお茶菓子として武家に広まり、定着していったそうです。

室町時代から戦国時代にかけては戦場の貴重な兵糧として注目され、江戸時代になると庶民にも浸透。梅エキスとして民間薬や民間療法として定着しました。明治時代には赤痢や疫痢の伝染病にも効果をあらわし、戦時には“食”としても“薬”としても欠かせない存在としてその地位を確立したのでした。

石神邑と梅干

1600年代の慶長年間に梅の自然的栽培が始まり、紀州藩田辺領の城代家老・安藤直次の時代には、領内の傾斜地や竹やぶで“やぶ梅”と呼ばれる梅の栽培が租税免除という形で奨励され広まりました。

明治時代には日清、日露戦争の兵糧、戦時食として需要が伸び、石神地区では地域特有の品種が10種類以上も植栽され、地域経済の中心としての役割を担うようになっていきます。

さらに昭和40年には、生産性が高く、品質も良好な「南高梅」が種苗登録されたため、植栽面積、生産量ともに一挙に伸び、地域にとっては欠かせない存在となったのです。

効用

効用

梅干の主な成分

梅干の効用を語るときに欠かせないのがクエン酸とミネラルです。クエン酸にはエネルギー代謝をスムーズにして体内の乳酸を燃焼させ、老廃物がたまるのを防ぐ効用があります。つまり、疲労回復、老化防止につながるのです。一方、ミネラルは血液のアルカリ度を保つのに一役買います。現代人が大好きなファストフードやケーキ、アルコールは、たいていが酸性です。そのまま酸化を放置すると老化が進むばかりか、疲れやすく風邪を引きやすくなり、お肌の荒れまで引き起こしてしまいます。

こんな人に食べてほしい

食欲を促す、疲労を回復する、酔いを醒ます、カルシウムの吸収を促す、腸の動きを整える、滅菌・抗菌する・・・。人々が少しずつ蓄えてきた梅干の使い道は大切に受け継がれています。特に、現代人に多い冷え性や倦怠感、便秘、肩こり、やせすぎ/太りすぎ、血管障害等の諸症状を改善するためにも、ミネラルの多い天日塩を使った梅干を食べてほしいと思います。余談になりますが、今年の夏、多くの犠牲者を出している熱中症対策にも梅干は効果的です。石神邑では、夏場の作業中に倒れた農家の人間は1人もいません。お茶と梅干を持参しているからです。

まめ知識

まめ知識

梅干じゃない梅干?

しそ入り、昆布入り、ハチミツ入り。普段スーパーマーケット等で皆さんが購入している“梅干”ですが、正確には、“梅干”と呼ばないということをご存知でしたか?食品表示マニュアルによると「農産物塩漬類のうち、梅の果実を漬け込んだもの又はこれらに削り節等を加えたものに漬け込んだ梅漬けを、干したもの」となります。

おいしい梅干の見分け方

まずは粒の大きさを確認します。ひと粒の重さが19~25g程度で、あまり大きすぎないものが良いとされています。さらに、小傷や斑点が無く、皮質が柔らかで薄いものを選べば、満足のいく味わいが楽しめるはずです。

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