開発の舞台裏では、何が起こっていたのか。

人生でいちばん梅干を食べた日。

人生でいちばん梅干を食べた日。

よく晴れた夏の日。天窓から差し込む太陽が眩しい、赤と白を基調としたキッチンで腕まくりをする料理研究家・川津幸子さん。テーブルに所狭しと並べられた梅調味料のプロトタイプを前にして、思わず「ゴクッ」と唾を飲み込む小山。プロジェクトはついに、第1回目の試食会を迎えたのでした。「人生でこんなに梅を食べることはなかったなぁ」と顔をほころばせる小山を中心に、その場で次々とアイデアを出す川津さん。2人を見ていると、まるで親戚の家を久しぶりに訪れたシーンを見ているようです。でも耳を澄ませると、会話の中身はかなりシビア。調味料としてのインパクト、万能性、果ては梅干の塩分濃度まで、細かい調整が行われていました。

不安が希望に変わった瞬間。

不安が希望に変わった瞬間。

まったく新しい調味料。掲げた目標はあまりにも高く、こと梅調味料に関しては既に世の中にたくさんの商品が出回ってることから、スタッフは皆不安を抱えたままプロジェクトをスタートさせたのでした。それが一転、希望に変わったのは、「ネギに熱い油をジャッとかけるとおいしいけれど・・・?」とひらめいた川津さんの試作を食べた瞬間でした。一同、目からウロコ。間違いなく“アリ”だと確信したのです。後に川津さんは言いました。「梅とネギ。これだけではバラバラの印象ですが、熱い油をかけることで、生ネギ特有の辛みはやわらぎ、梅干の塩味はマイルドになります。この2つが1つになって、歯触りのいい梅風味ネギダレになるんです」

広げて、絞る。それはまるで企画のよう。

広げて、絞る。それはまるで企画のよう。

梅干とネギと油を組み合わせるという基本方針が決定。ここからが本番です。3つの食材それぞれの種類、分量、あるいはコクや色合いを意識した追加食材のことまで考えると、試すべきパターンは無限に広がります。小山、川津さんをはじめ、石神邑の方々、プロジェクトスタッフが膝詰めで議論。まずは可能性を広げる目的で10数種の試作を用意しました。塩分20%の梅干と8%の梅干をブレンドしてみたり、炒めたベーコンを刻んでいれてみたりと、繊細かつ大胆なアイデアが盛り込まれていきます。そして最終的に1つに絞り込んだ組み合わせを、次の試食会ではさらに細かく分類し、再び試食会を実施。“広げて絞る”の繰り返しは、まるで企画のよう。「本気で応援したい」と意気込む小山の眼差しは、依然、厳しいままです。

まだ気づいていないけれど、おいしい食べ方がきっとある。

まだ気づいていないけれど、おいしい食べ方がきっとある。

古来、梅干の風味を活かした料理はたくさんあります。はもの梅だれ、魚の梅煮、梅風味のあんかけにおひたし。梅を忍ばせた茶碗蒸しも、また美味です。しかしながら、梅干の持つ可能性はここに留まらないと、プロジェクトの皆が信じています。白飯にも、野菜にも、肉にも魚にも合う。鍋の薬味にだってこれからの季節はいいかもしれません。そして何より、脇役のようで脇役でない絶妙な主張の仕方で、しっかりと梅干の余韻を残す調味料。「日本人にもういちど“梅干はうまい”と言わせたい」と語った石神邑のケンちゃんをはじめとする生産者の方々に胸を張って食べていただけるよう、調味料そのものはもちろん、おいしい食べ合わせまで、日々、検討を続けています。

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